#01
A/Dコンバーターってどうやって選べば良いの?

旭化成エレクトロニクス (AKM) のA/Dコンバーター (以下ADC) 連載シリーズ第1話。
モーター製品を製造開発する架空のモーター企業の社員A君が、K先輩や上司のM課長とADCの知識を深めていくお話です。

今回はAKMのADCやセンサー製品群の概要を紹介します。

A君

「うーん……。サーボモーターの分解能を向上させるには、センサー側の分解能を上げるのと、ADC側を上げるのと、やり方が色々あるよなぁ。
ADC側を変えると色々と面倒だよなぁ。デジタル設計者とも交渉が必要だし。
そもそもADCって、どの特性を気にしているかよくわからないしなぁ。
あーあ、ADCは変えたくないなぁ。
ま、いいか。ADC周りは前の製品のままで。センサー側で頑張ろうっと」

K先輩

「こら! 怠慢するんじゃない!」

A君

「げげ、K先輩。独り言、聞こえちゃいました?」

K先輩

「全部聞こえているわ。そんな姿勢じゃ、本物のエンジニアになれないよ!」

A君

「……(相変わらず熱い女性だなぁ)」

K先輩

「でも安心して。これから3か月間、私がADCについてみっちり教えるから」

A君

「……え、今なんと?」

K先輩

「M課長からの指令よ。A君にADCの基本を3か月で叩き込めってね」

A君

「げげー。なんてこった……」

K先輩

「AKMの製品を元に説明していくよ。面白い製品がたくさんあるからね」

A君

「AKM? うーん、どこかで聞いたような」

K先輩

「AKMとは旭化成エレクトロニクスのことよ」

M課長

「モーターのエンジニアなら、AKMの製品を知っておいて損はないぞ!」

A君

「うわ、M課長。いつの間に」

M課長

「多くのブラシレスモーターにはホール素子が搭載されているだろう。ホール素子と言えばAKMだ。なんと、世界中で使われるホール素子の約70%、年間12億個以上を生産しているんだぞ」

A君

「気の遠くなるような数字ですねー」

M課長

「AKMはこの、ホール素子に代表される化合物半導体技術をベースにしたセンサーと、特色のあるアナログ回路や信号処理技術によるLSIのいずれも持っている、ユニークな半導体メーカーなのだ。我々のモーター分野においても、深いかかわりのある製品をたくさんラインアップしているぞ」(図1)

図1. モーター関連 AKM製品

A君

「なんか、電子部品じゃないものも交じっていますけど。ロボ電? パルシャット?」

K先輩

「これらはAKMの事業持株会社である旭化成が製造している製品ね。ロボ電(r)は伸縮性のある電線よ。配線のたるみを無くせるからロボット向けに有効ね。パルシャット(r)はEMC対策部材の1つで、MHz帯~GHz帯まで広い周波数帯域の電磁波ノイズを抑制できるシートよ。モーターから発生するノイズを抑制するのにも有効かもね」

A君

「はー、なんか色々やっている会社なんですねー。それにしても、AKMってADCも作っていたんですね。知らなかったー」

M課長

「我々の業界だと、センサー製品の方が有名だから仕方無いが、汎用ADC製品群も続々開発中なんだぞ。それにAKMのADCは、実は身の回りにあふれているんだぞ」

A君

「え、どこですか?」

M課長

「例えばそのスマートフォンには、高音質で定評あるHiFiオーディオ用D/Aコンバーター (DAC) とADCが搭載されている。これはAKMのオーディオ用製品だ」

A君

「なんと、こんなところに」

M課長

「AKMのADCの歴史は古く、初代のデルタシグマ (Δ∑) 型ADCは1987年から販売しているんだ。オーディオ用途のADCでは30年の歴史がある。オーディオ用途フラグシップ32bit ADCであるAK5397EQは、なんとS/N=127dBだ」

A君

「32bitって、気の遠くなるような数字ですね」

M課長

「AKMはこのオーディオ分野で培ったADCの技術をベースに、高精度・高品質な汎用ADC製品群を続々開発中なんだ。産業機器用途にも使えるように厳しい品質グレードでの開発や出荷検査を行っているらしい」

A君

「なるほど、それは興味深いです」

M課長

「中でもAKMが開発した「SAR型の高速応答」と「⊿∑型の高線形性」を融合した新しいADC『Zero latency Delta Sigma ADC (ZDS ADC)』は、AKMの定評あるΔΣ技術の応用だ。これが製品のセレクションガイド」(図2)

図2. AKM ADC セレクションガイド

A君

「……うーん、書いてあること、全然わかりませんね。ADCってスペック見ても、どう良いのかわかりにくいんですよね。どうやって選べば良いんですか?

M課長

「ADCに対して苦手意識を持っているのは君だけじゃない。センサー製品に比べると考え方も難しいことが多い。というわけで、ADCに詳しいKさんの下で、学んでくれ」

A君

「よろしくお願いしまーす」

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