ワンチップエンコーダー

ワンチップエンコーダーは、磁気式インクリメンタルエンコーダ用に開発されたホールICです。縦磁場と横磁場で動作するという独自の磁界検知方式により、1チップでラッチ型ホールIC2個分の機能を提供することのみならず、着磁リングのピッチの自由度と、センサの実装位置の自由度を飛躍的に向上させました。

動作デモンストレーション動画

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ラインアップ

AK8775・AK8776
低消費電流タイプ ワンチップエンコーダ

AK8775・AK8776 は、モバイル機器・民生用機器向けの低消費電流タイプです。

製品名 AK8775
低消費電流タイプ ワンチップエンコーダ
AK8776
低消費電流タイプ ワンチップエンコーダ
販売開始 2012年 販売中 2012年 販売中
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国内販売代理店
WEB代理店
Digi-Key
WEB代理店
Digi-Key

AK8777B・AK8778B・AK8779A・AK8779B
高速応答タイプ ワンチップエンコーダ

AK8777B・AK8778B・AK8779A・AK8779B は、民生・産業機器・車載機器向けの高速応答タイプです。

製品名 AK8777B
高速応答タイプ
ワンチップエンコーダ
AK8778B
高速応答タイプ
ワンチップエンコーダ
AK8779A
高速応答タイプ
ワンチップエンコーダ
AK8779B
高速応答タイプ
ワンチップエンコーダ
販売開始 2012年 販売中 2014年 販売中
2016年1月 販売中
2016年1月 販売中
サンプル購入

国内販売代理店
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Part# Data
Sheet
Auto-
motive
qualified
Power
Supply
Current
Comsumption
Oper.
Temp.
Output
refresh
period
Sensitivity
(Bop,Brp)
Output
signal
Output
Stage
Package



V mA us mT
 
   
AK87751.6 to 5.50.09-30 to 8510001.5A/B phaseCMOS4-SOP
AK87761.6 to 5.50.09-30 to 8510001.5Speed & DirCMOS4-SOP
AK8777BYes4.0 to 243-40 to 12516.61.7A/B phaseOpen DrainSOT23-6W
AK8778BYes4.0 to 243-40 to 12516.61.7Speed & DirOpen DrainSOT23-6W
AK8779A
Yes3.8 to 243.5-40 to 1508.32.0Speed & DirOpen DrainSOT23-6W
AK8779B
Yes3.8 to 243.5-40 to 1508.32.0A/B phaseOpen DrainSOT23-6W

技術情報

動作原理

※詳しい技術情報につきましては、アプリケーションノートを参照ください。

ワンチップエンコーダーは、ロータリー/リニアパルスエンコーダ用に開発された、1チップで従来のホールIC2個分の機能を持つラッチ動作型ホールICです。ICマーキング面に垂直方向に入る(1)縦磁場と、平行方向に入る(2)横磁場を検出する独自の検知方式により、磁石の「着磁ピッチフリー」と、実装位置の自由度の飛躍的な向上を実現しました。

※ 図はAK8779A/Bのものです

多極着磁リングの周囲の磁束密度ベクトルは、リングの回転に伴い回転していきます。この磁束密度ベクトルの垂直方向成分と水平方向成分は、磁石の着磁ピッチによらず、回転方向に依存した90°の電気角位相差をもって変化します。この2方向の磁束密度成分、すなわち縦磁場と横磁場のそれぞれに対して独立にラッチ型動作をすることで、インクリメンタルパルスエンコーダのA・B相の信号を出力します。



着磁ピッチフリー
様々な着磁ピッチの交番着磁磁石を検知可能

磁石のピッチによらず、良好な2相のエンコーダ信号が得られます。
エンコーダ仕様の変更により磁石を変更しなくてはならない場合でも、基板レイアウトを変更する手間が少なくなります。



レイアウトフリー
飛躍的に向上した実装位置の自由度

従来の縦磁場のみを使用するホールICを使用したエンコーダに比べ、磁石の真下に配置しなければならないといった制約がありません。お客様の機構設計の自由度が飛躍的に向上し、様々な特長を持つ設計が可能になります。
下図はワンチップエンコーダーを使用した、配置可能な磁石とセンサの構成例です。

用途

自動車ボディ系

非接触式で信頼性・耐久性に優れる磁気式のエンコーダーは、車内で用いられる様々な駆動用モーターの回転検出に最適です。

・パワーウインドウ、サンルーフ、パワースライドドア 等の挟み込み検知
・パワーシートモーター制御
・情報表示用ディスプレイの位置制御 等

入力デバイス

小型で汚れに強い入力デバイスとしてもお使いいただけます。非接触式のため防水構造とする事も容易です。

・オーディオ・エアコン等のコントロールつまみ
・車載ステアリングスイッチ
・ポータブル機器 等

その他回転検出

その他、回転・移動量あるいは速度を検出する様々な用途でお使いいただく事が出来ます。

・電動シャッター
・電動ブラインド/カーテン
・流量計 等

FAQs

パルス駆動のOFFの間に動作磁束密度を超えた場合、出力信号はどうなるか?

パルス駆動するのはAK8775/AK8776のみです。パルス駆動のOFFの間は、出力信号は変化しません。ONしている区間で、印加されている磁束密度が動作磁束密度を超えている事を認識し、AK8775/AK8776の場合、消費電流のパルスの立下り後、約6.1μs後に出力信号が変化します。

※プルアップ抵抗値10kΩ、負荷容量20pFにおいて、出力電圧がVDDの50%になるまでの時間

パルス/回転方向信号出力タイプのパルス信号と、A/B相出力タイプの出力信号は何が違うのか?

AK8776/AK8778B/AK8779Aのパルス信号(F)は、A/B相出力の排他的論理和(XOR)から生成されており、A/B相の倍のパルスで変化します。AK8775/AK8777B/AK8779Bが出力する縦磁場検知出力(OUTA)や横磁場検知出力(OUTB)は2磁極(N極とS極の1ペア)の変化で1パルスの信号を出力するのに対して、パルス信号(F)は1磁極の変化で1パルスの信号を出力します。したがって、パルス信号を用いれば、より高精度に回転量を検出することができます。

パルス/回転方向信号出力タイプで、パルス信号のみを使用する場合、回転方向出力端子はどうすればよいか?

使用しない出力端子はオープンまたはプルアップ/プルダウンとしてください。直接電源またはグラウンド電位に接続すると、デバイスを破損することがあります。

BopとBrpの間で磁束密度が変化する場合は、信号はどうなるか?

出力信号は変化しません。印加される磁束密度が変わっても、BopあるいはBrpを超えない限り、出力信号は変わりません。

より微小な回転量を検出したい場合はどうすればよいか?

磁石の着磁ピッチを小さくすれば、微小な回転量を検出する事ができます。ただし、着磁ピッチを小さくすると、印加される磁束密度が小さくなります。必要な磁束密度が足りない場合は、磁石の材料を変更する、磁石の厚みを厚くする、磁石表面からセンサまでの距離を狭くするなどすれば、着磁ピッチが小さくでも、センサに印加される磁束密度を大きくする事ができます。

使用する磁石の着磁ピッチがICパッケージより小さい場合や大きい場合、正常に動作するか?

着磁ピッチの幅に依らず、縦磁場と横磁場のゼロクロスは90°位相差で変化します。磁石から印加される磁束密度が動作に必要な大きさを超えていれば、1チップパルスエンコーダICは正常に回転量、回転方向を検出します。

磁場シミュレーションを行う際に必要となる条件は?

磁石からの磁束密度を計算する場合に、必要となる条件は下記の通りです、

① 磁石の特性(寸法、残留磁束密度、保持力、温度係数)

② 磁石とセンサの位置関係

③ 磁石とセンサの周辺に影響を受けそうな磁性体の有無

どの位の高速回転まで追従するか?何rpmまで追従するのか?

表1は、検出できる被検出体の回転速度をrpmで表記しました。被検出体の回転速度で単純に表記できないのは、使用する磁石の極数によって入力磁場周波数が変わるためです。磁石の極数をM(=2,4,6,8,…)とすると、表1のように、1チップパルスエンコーダICの最大追従性をrpm表記で表す事ができます。

表1:ワンチップエンコーダICの最大追従性(rpm)


AK8775・AK8776AK8777B・AK8778BAK8779A・AK8779B
最大追従性7500 / M490000 / M890000/ M

※表中の最大追従性は、印加磁場の最大値が磁気特性Bop, Brpに対し十分に大きい場合

AK8777B/AK8778Bで出力更新周期時間を決めている回路ブロックはどこか?

出力更新周期は内部のClock周波数に依存します。製品の回路ブロックでは、OSC部になります。

縦磁場と横磁場の2方向の磁場成分を持つ磁石は、どのように着磁すればいいか?

着磁方向は径方向あるいは面着磁など、いずれか1方向で構いません。普通に交番着磁を施せば、縦・横双方の磁場を発生する磁石となります。径方向に着磁された磁石を例に考えます。図1のように、磁力線は隣合う磁石のN極から出て、S極へ入ります。N極から出てS極に向かう際に、磁力線は曲げられます。つまり、着磁方向が径方向の1方向でも、磁力線が曲がって着磁方向と垂直な成分(周方向)を自然と持ちます。尚、径方向と周方向のどちらが縦磁場・横磁場になるかは、ICの配置に依ります。図2で、径方向着磁の磁石に対して、配置AのようにICを置いた場合は径方向の磁場(実線)が横磁場で、周方向(破線)が縦磁場となり、配置BのようにICを置いた場合は周方向が横磁場、径方向が縦磁場となります。

図 1: 径方向着磁磁石の持つ、径方向磁場成分と周方向磁場成分

図 2: IC配置と縦・横磁場

印加磁束密度が最大500mT程度になるが、壊れないか?

壊れることはありません。印加前後で磁気特性(Bop,Brp値)が、ごくわずかにずれる事があったとしても、印加される磁界はN極、S極と交互に印加されるため、前の磁界の影響を加味しても出力信号が変わらないという事はなく、正常に動作します。

印加磁束密度が1000mT超えるが、検出に問題は起きないか?

図3のように、ホール素子の出力電圧は印加磁束密度の大きさに比例して変化します。非常に強い磁界を印加し出力電圧がある閾値を上回ると、ホール素子の出力を増幅するゲインアンプの出力は飽和領域に達します。ただし、1チップパルスエンコーダICの場合、ゲインアンプの出力そのまま出力している訳ではなく、大きすぎる磁束密度が印加されても、交番磁界の検出に問題は起きません。1チップパルスエンコーダIC内部のゲインアンプの出力電圧が、ある閾値Vout(Bop)を超える磁束密度が印加されると、それ以上に大きな磁界を印加しても、出力信号はLowのまま変化しません。仮に、印加磁束密度が非常に大きく、ゲインアンプの出力電圧が飽和領域に達していたとしても、出力信号は変化なくLowのままで、その状態にBrpを十分に下回る磁束密度が印加されれば出力信号はHighに変化します。

図 3: IC配置と縦・横磁場

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