故障解析

故障解析

故障解析とは、故障した製品を調査・解析し、異常の状態を明らかにすることです。故障解析は、お客様の工程や市場で発生した不具合品だけでなく、当社の製造工程、検査工程、信頼性試験などで発生した故障についても行います。いずれの場合も故障解析結果を故障の発生源 (設計、ウエハー製造、組み立て、検査など) へフィードバックして故障の再発防止を行うことにより、各工程で作りこまれる品質・信頼性を高めることに役立てています。

お客さまからの返却品の解析フロー

お客様返却品の解析フローは、下図をご参照ください。
(社内工程の不具合品も、このフローに準じて関係部門と連携して解析を行っています)

故障原因特定と問題解決のツール

故障解析では、不具合品の異常の状態を明らかにします。しかし、それだけでは不十分であり、解析結果を基に不具合症状との相関確認や発生原因の特定を行い、発生防止対策を講ずることが重要です。
故障解析結果から発生防止対策実施までの、当社でのアクションについて下図をご参照ください。このアクションは、各セクションのエンジニア (回路設計、製造、テスト、品質管理などのエンジニア) 間での協議によって進めます。問題解決の管理ツールとして、8D (8 Disciplines) プロセスなども用います。

問題解決のアクションフロー

解析装置と解析事例

半導体製品の回路やセンシング部の微細化、高集積化、多層化の度合いは年々進化していくため、故障解析に関してもお客様満足と解析期間短縮の観点から、不具合の原因を短時間で的確に究明する解析力が益々求められています。半導体製品における故障解析では、電気的特性測定による解析以外に、故障箇所の特定や不具合メカニズム解析のため、場合によってはμmオーダーから進んでnmオーダーのレベルで観察でき、かつ、高精度に分析できる装置が必要になります。当社は複雑・高度な半導体製品の動作を様々な局面から確実にとらえるために各種の解析装置を保有しています。また、設計CADデータとのリンクができるツールと環境も強化し、解析の効率化・短TAT化を進めています。

解析装置

当社が使用している主な装置を下表に示します(表に示した以外にも、電気的な評価を行うための各種計測器があります)。これらの解析装置を駆使し、故障原因の解明を行っています。

            <当社が使用している主な解析装置>          (写真は表下に掲載)

分類

装置名

機能・用途

装置写真

非破壊解析 X線透過装置 パッケージ内部の観察を行う (ワイヤーボンディング状態など)

(写真1

超音波探傷装置 (SAT) パッケージ内部の観察を行う (剥離の状態など)

(写真2

半破壊解析 モールドオープナー モールド樹脂を溶かし、電気的に破壊せずに開封する

レーザーオープナー レーザーを用いてパッケージ樹脂の除去 (開封) を行なう

回路解析 エミッション顕微鏡 チップで発生する微小発光を検出し、異常リーク箇所などを特定する

(写真3

EBテスタ 電子ビームを用いて回路の電気的動作を解析する (非接触)
 ・ボルテージコントラスト像や動作波形を取得できる

(写真4

マニュアルプローバ (プローブ) を直接接触させ、回路の電気的動作を解析する

OBIRCH解析装置 レーザー照射時の電流変化を検出し、ショート箇所特定などに使用する。

(写真5

ロジックテスター ディジタルテストパターンを用いてディジタル機能評価を行なう

回路修正用FIB 回路内の配線修正、プロービング・パッド作成などを行なう

(写真6

裏面研磨機 チップの裏面露出、研磨を行う(他の解析の前処理)

ナノプローバー SEM式プロービングシステム
 ・
MOSの静特性測定、EBAC法での配線解析を行う

(写真7

物理解析 光学顕微鏡 チップの光学観察

RIE装置 SiN膜やSiO2膜の除去を行う
 ・プラズマを使用したドライエッチング

ドラフトチャンバー ウェットエッチング処理を行うための局所排気装置

走査型電子顕微鏡(SEM) チップ表面形状の詳細観察を行う

(写真8

FIB/SEM装置 FIBで加工しSEMで観察する
チップの断面観察を行う

(写真9

EDX 特性X線検出での元素分析を行う

走査型透過電子顕微鏡(*1)
(STEM) 
透過電子を用いてチップの断面観察を行なう

切断機 パッケージ断面観察に使用する
大まかな切断加工を行う

研磨機 パッケージ断面観察に使用する
研磨加工を行う

                             (*1) 当社グループ内関係会社にて所有
 

       

       (写真1) X線透過装置(左側はCT機能付き)           (写真2) 超音波探傷装置[SAT]

 

 

       

  (写真3) エミッション顕微鏡         (写真4) EBテスタ         (写真5) OBIRCH解析装置

 

 

   

        (写真6) 回路修正用FIB                      (写真7) ナノプローバー

 

 

     

        (写真8) 走査型電子顕微鏡[SEM]                    (写真9) FIB/SEM装置

解析事例 (ナノプローバーでの例)

ナノプローバーはSEM式プロービングシステムです。SEMを使用しているため、ナノレベルでのプロービングを実現しています。代表的な測定は、単体MOSの静特性測定です。露出したコンタクトへ直接プロービングすることで、チップ上の単体MOSの静特性測定を行うことができます。


ナノプローバーによるMOS静特性測定解析事例(左:プロービングの様子、右:測定結果)

また、ナノプローバーは吸収電流法による解析も行うことができ (EBAC:Electron Beam Absorbed Current解析) 、EBAC解析では配線のショート/オープンを見つけることができます。


EBAC解析事例

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