当社では製品の検証目的に応じて、JEITA、JEDEC、AEC Q100などの業界規格を参考にした試験を実施しています。
また、2011年4月に制定されたJEITA EDR-4708 (半導体集積回路信頼性認定ガイドライン) を参考に信頼性予測精度の向上と故障モード毎の不良検出力を向上させる目的で故障モードに応じた試験方式を追加し、重点を置くよう進めています。
(尚、その他の試験規格にも柔軟に対応しています)
【認定フロー】
1) 開発計画段階での認定要件検討
・用途と信頼性レベル、お客様要求項目の確認
・既存品との差異 (新規性) を確認し認定内容を決定
・試験方式選択
方式1 当社標準試験条件での試験 :製品レベルでの試験
方式2 故障モードでの試験 :TEGレベル及び製品レベルでの試験
2) 開発着手段階での認定要件検討
方式1 当社標準試験条件での試験 :試験条件/個数を規格から選定
方式2 故障モードでの試験 :故障モードからワイブル分析し、試験条件/個数を算出
3) 認定段階
・計画および開発着手段階で決定した必要要件事項を満足していることを確認し認定実施
開発の計画および着手の段階で決定した必要要件事項を満足していることを確認して、以下の認定を実施します。
・プロセス信頼性認定:ウエハ製造工程の信頼性認定
・アセンブリ信頼性認定:パッケージアセンブリ工程の信頼性認定
・個別製品信頼性認定:個別製品の信頼性認定
・ファミリー認定:信頼性認定済みで量産中の実績が十分な先行品と対象品の差異を分析し、対象品が先行品のファミリー品と見なせる場合に適用可能な信頼性認定
故障分布は初期故障、稼動期故障、磨耗故障の3領域に大別され、下図のようにバスタブカーブで瞬間故障率と実使用時間の関係を示すことができます。
またワイブル分布の形状パラメータmにて故障分布を知ることが出来ます。
初期故障 (m<1)、 稼動期故障 (m=1)、 磨耗故障 (m>1)
加速試験とは、JIS Z 8115 において、以下のように定義されています。
「アイテムのストレスへの反応に対する観測時間の短縮、又は与えられた期間内の反応増大のため、基準条件の規定値を超えるストレス水準で行う試験 備考:妥当性を保つため、加速試験は基本的なフォールトモード及び故障メカニズム又はそれらの相対的関係を変えることがあってはならない」
言い換えれば、加速試験は使用環境のうち特定ストレスに注目し、より厳しい条件で試験を行うことで故障現象を物理的、化学的に加速し、短期間で (あるいは試験個数を削減して) 実使用状態での故障率や寿命を推定する方法です。ただし、製品レベルでは加速に限界があり、確認したい故障モードを再現できない場合がありますので、その場合にはTEG (Test Element Group)による素子レベルの高加速試験も実施するようにしています。
加速試験のモデルとして主に以下の4つがあります。
(1) 温度加速モデル (アレニウスモデル)
(2) 温度差加速モデル (アイリングモデル)
(3) 湿度加速モデル
(4) 電圧加速モデル
製品の信頼性試験・評価の際には、これら4つのモデルを考慮した検討を行います。