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[Notes] * ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。* AKMは、旭化成エレクトロニクス株式会社の商標です。* その他、記載されている会社名、製品名は各社の商標および登録商標です。

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電動車用部品の小型・高効率化に向けた
パワーモジュールとコアレス電流センシング機能一体化の技術実証に成功

2025/09/09

概要

旭化成エレクトロニクス (AKM、以下「当社」) は、車載用パワーモジュールに電流センサーを一体化する技術の概念実証 (PoC:Proof of Concept) に成功しました。本技術は、次世代の SiC パワーデバイスを用いたトラクションインバータや DC / DC コンバータにおいて、従来使用されていた磁性体コア (鉄などの金属部品) を不要とすることを可能とし、それぞれの部品の小型化・軽量化・高効率化に貢献することが期待されます。 

近年、xEV (電動車) の駆動系において、より高効率で軽量なシステムが求められており、広い電流レンジでの高分解能な電流センシングのニーズが高まっています。特に流れる電流量の幅が大きいトラクションインバータにおいては、低速走行時から加速時までさまざまな運転条件下での正確な電流検出が求められます。従来は磁性体コアを用いて磁束を集中させるコア付き電流センサーが一般的に用いられてきましたが、小型化、設計自由度の面では課題がありました。当社が現在開発中のリニアホール IC「EZ-232L」は高精度かつ高分解能という特長を持ち、コアレス構造向けの電流センサーとして使用が可能、それにより効率的なインバータ制御に必要なきめ細やかな電流検出を可能にします。なお、EZ-232L の量産開始は 2026 年度を予定しています。

当社は欧州の研究機関である Silicon Austria Labs GmbH と共同で、EZ-232L を用いて電流センサーを一体化したパワーモジュールを試作し、高精度の電流検出ができることを確認していました。その後、本年 6 月には、当社と別の外部評価機関にて、トラクションインバータの模擬システムを用いて、コアレス電流センシングを使用して実際にインバータを駆動させるシステム検証を行いました。その結果、従来のコアを用いたシステムと同等の効率でインバータ動作が可能であることを確認することができました。

これらの概念実証はコアレス化によるトラクションインバータシステムの小型化・効率化に向けた大きなブレークスルーです。

当社 M&Sセンター ソリューション開発第四部長 高塚 俊徳 コメント

「この度の二つの技術実証により、次世代電動車のパワーモジュールにおける電流センシングの新たな可能性を示すことができました。コアレス化の実現により、従来方式では実現が難しかった小型化、および設計自由度の向上に貢献することで、より競争力のある電動車システムの開発を後押ししてまいります。」

Current sensor integrated power module developed by AKM and SAL

SILICON AUSTRIA LABS (SAL) について

Silicon Austria Labs GmbH (SAL) は、エレクトロニクスとソフトウェアベースのシステムに関するトップレベルの非大学研究センターとして 2018 年に設立されました。グラーツ、ヴィラッハ、リンツにある拠点では、マイクロシステム、センサーシステム、パワーエレクトロニクス、インテリジェントワイヤレスシステム、組み込みシステムの分野における主要技術の研究が行われています。SAL は、産業界と科学界の主要な関係者を集め、貴重な専門知識とノウハウを提供し、バリューチェーンに沿った応用志向の共同研究を実施しています。

SAL に関する詳細は、https://silicon-austria-labs.com/ でご覧いただけます。

sal-logo

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