可燃性ガスの種類と特徴

可燃性ガスセンサー

ガスセンサーは、測定対象ガスの特徴に合わせて開発されます。NDIR 方式では、対象ガスの赤外線の吸収を利用してガス濃度を測定するため、ガスの特徴的な赤外線吸収ピーク波長を把握することが重要です。そのため、ここでは、可燃性ガスと微燃性ガスの赤外線吸収スペクトルと、分子構造に由来する共通のピークをご紹介します。

分子構造に由来する赤外線の吸収ピーク

分子はその分子構造に由来した赤外線の吸収ピークを持ちます。CO2であれば、C と O の結合に由来した4.3um 付近の赤外線を吸収し、NO2であれば、N と O の結合に由来した5.3um 付近の赤外線を吸収します。

可燃性ガスは、その分子内に C と H の結合をもつものが多く、C と H の結合に由来した 3.4um 付近のガスを吸収します。そのため、NDIR 方式により検出可能であり、AKM はこの波長帯域に特化した LED や PD を製品ラインナップとしてそろえています。また、同技術を使用し R32 を検知するためのガスセンサーを開発しました。

CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。

代表的な可燃性ガス

可燃性ガスの代表的なものとして、メタン、プロパン、エタノールがあります。このようなガスは空気中や酸素中で激しく燃えるため大変危険です。実際、ガス田などでは安全性を確保するため、作業員はポータブルのガスセンサーを携帯しています。また、大量に天然ガスを運ぶパイプラインでは、1%のリークであっても、その量は膨大となるため、このようなガスのリークを検出することも重要です。

CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。

代表的な微燃性ガス

また空調の冷媒として広く使用されている、R32 や R1234yf は微燃性ガスとして知られています。これまでは不燃性の R410という冷媒も使用されていましたが、地球温暖化係数 (GWP) が高いため、環境に配慮した GWP の低い R32 や R1234yf が使用されています。一方でこれらのガスは微燃性 (A2L) であるため、リークを検知することが義務付けられています。

しかし、R32 や R1234yf も GWPが十分に低いわけではありません。そのため、今後はより GWP の低い自然冷媒であるプロパンなどが注目を集めています。一方で、プロパンは可燃性 (A3) に分類されるため、R32やR1234yf よりも一層リーク検出が重要となるでしょう。

CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。

赤外線吸収スペクトル

ここで可燃性ガスとして挙げられたメタン、プロパン、エタノールは、CH4、C3H8、C2H5OH の分子構造を有しており、微燃性として分類される R32 はCH2Fの分子構造を有しています。どのガスにも C-H 結合があることがわかります。一例として、メタン、エタノール、R32 の吸収スペクトルを図Xに示します。各ガスの赤外線吸収スペクトルを見ると、どれも 3.4um 付近に吸収ピークがあることがわかります。この吸収波長帯域を利用し NDIR 方式のガスセンサーを開発することが可能です。

さらに、NDIR 方式のガスセンサーに AKM の LED を用いれば、発光時間を短くすることで、周囲環境と同等の温度で使用可能であり、着火源となる心配もありません。これにより、ヒーターを数百 ℃ に熱する半導体方式や、1000℃ 以上になるランプ光源を使用するNDIR方式に比べて高い安全性を実現できます。

加えて、超低消費電力、小型の特長を有し、ポータブルな可燃性ガスセンサーの開発が可能です。

CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。
CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。
CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。

図. 赤外線透過率スペクトル

センスエア (Senseair) について

2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。