CO2 (二酸化炭素) とは ? 

CO2 は地球温暖化の原因物質として取り上げられておりますが、人体にとっても悪影響を及ぼします。室内の二酸化炭素濃度が高くなると頭痛・眠気・倦怠感などを起こし、80,000 ppm を超えると意識を失うこともあります。

CO2 センサー

CO2 (二酸化炭素) とは

CO2 (二酸化炭素) は、1 つの炭素原子と 2 つの酸素原子で構成される分子で、室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が -78℃ を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス ) となります。

CO2 はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。光合成は、葉緑素を使用して太陽光を取り込むことができる緑の植物で行われます。

植物は太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素を糖に変え、酸素を放出します。一方で、人間と動物は CO2 を排出する上、それは健康にマイナスの影響を与えます。  

CO2は室温では無色・無臭のガスです。常圧で温度が-78℃を下回ったときに、固体状態 (ドライアイス) となります。 CO2はそれ地球上で最も重要なガスの一つになり光合成と呼ばれるプロセスで使用されています。

地球温暖化への影響

地球温暖化係数 (GWP) は、二酸化炭素を基準として、特定の期間 (20, 100, または 500 年) に温室効果ガスが閉じ込める熱量の積算値を、同じ質量の二酸化炭素によって閉じ込める熱量と比較した値です。メタンと一酸化二窒素は、それぞれ 25 と 298 の GWP 値を有します。ガス分子の GWP 値は、ガス分子がどれだけ安定しているか、赤外線 (IR) 放射をどれだけ強く吸収するか、およびスペクトルのどこに吸収ピークがあるかによって異なります。


二酸化炭素の IR スペクトルには、多くの重なり合うピークからなる強い吸収帯があります。非対称の C = O 伸縮によって引き起こされるこのバンドは、4.3 µm の波長に配置されます。この波長では、大気中の CO分子が地球から放出された熱放射を吸収し、そのようにして、特に晴れた夜の間に冷却を減らします。二酸化炭素やその他のより強力な温室効果ガスの量が増加するメカニズムは、IR放射が地球を離れて宇宙に戻るのを阻止することです。 自然の温室効果のおかげで、地球の平均気温は約15℃です。温室効果ガスがなければ、-18°C 前後になります。

ただし、CO₂ は悪影響を与える可能性があります。温室効果ガスの濃度が高くなると、より多くのIR放射が吸収され、地球の表面近くにとどまり、温度が上昇します。  二酸化炭素は大気中に蓄積するため、地球の気候を変える可能性のある温暖化効果があります。  現在、大気中の CO2 のモル分率は約 400ppm です。ただし、大都市ではレベルが高くなることがよくあります。 COレベルは、主に化石 CO2 が大気中に放出されることにより、より多くの二酸化炭素が大気中に放出されるため、毎年上昇します。  

図 1. 二酸化炭素のIRスペクトル 図 1. 二酸化炭素のIRスペクトル

人体への影響

Impact on the human body

世界保健機関 (WHO) が発行している「School Environment: Policies Current Status」(2015) において、学生・教師の欠勤率・学業成績・教師の定着率・建物のメンテナンスなどのコスト削減・病気休暇率と室内空気質が、相関があることが言及されています。2,000 ppm を超える CO2 濃度は私たちの健康と効率を妨げ、5,000 ppm を超えるレベルは危険、10,000ppm は生命を脅かす、というのが一般的な知見です。詳しくは 「アプリ例)室内空気質」を参考ください。

また、近年の新型コロナウイルスやインフルエンザの感染対策として換気の悪い密閉区間を避けることは非常に重要視されており、 WHO も、 自然換気または機械換気で、空気を再循環させずに換気率を上げることを推奨しています。

詳しくは 「アプリケーション / 室内空気質」 をご覧ください。

在・不在検知への応用

室内の人の在・不在検知には、赤外線センサ-や監視カメラを用いた方法が主に採用されておりますが、この方法では死角や太陽光や温度の影響によりうまく検知ができないケースがあります。近年では、人間が呼吸で CO2を発することによる濃度上昇することを利用して、室内での在・不在を CO2 センサーで検知する検討も進められています。

代替フロンとしての CO2 冷媒

エアコンや冷蔵庫などの家電や、冷凍機などの業務用冷却システムの中では、熱を温度の低い所から高い所へ移動させるために、冷媒が使用されています。これまで主にフロンガス (R404A) が使われてきましたが、地球温暖化係数が 3920 もあることから、地球温暖化の進行に大きな悪影響を及ぼすことが懸念されています。

近年、フロンガスよりも地球温暖化に影響の少ない冷媒の使用が世界各国で積極的に進められております。自然冷媒である CO2 冷媒はオゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数が 1 と非常に低く、地球環境に悪影響が少ないことから注目されており、業務用冷却システムなどへの応用が進められています。このシステムにおいて CO2 冷媒の漏れ検知の為に CO2 センサーによる検知が必要となります。

今後、用途が広がっていく CO2 センサー

CO2 センサーをはじめとしたガスセンサーは、今後も様々な分野での応用が期待されています。しかし様々な状況下で適切に対象となるガスを選定し、検知していくのは容易ではありません。必要となってくるのは、対象ガスの性質とガスセンサーの原理を正しく理解し、状況に応じて最適なガスセンサを選択する事です。

右のページでは、様々なガスセンサーの検知方式の原理とセンサーで検知できるガスの種類、そして各方式のメリット・デメリットについて説明します。

センスエア (Senseair) について

2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。