FAQ & 用語解説

エンコーダー 基礎知識

FAQ (よくある質問)

[A-1]

コイルに流れる電流が大きいほど磁力が強くなり、大きいトルク (モーターを回転させようとする力) を発生することができるため、高速回転時や静止時の脱調の発生を防ぐことができます。

通常は脱調が発生しないようにコイルには最大電流をいつも流しておき、強力な磁力を作り出しています。

図 1. 電流量と非脱調領域の関係図 図 1. 電流量と非脱調領域の関係図

用語解説

エンコーダーでよく使用される技術用語、専門用語について解説します。

自然界の変化を検知する素子または電子部品のことです。代表的なものには、位置を検知するスイッチ・ポテンショメーター・エンコーダー、温度を検知するサーミスタ、光を検知するフォトダイオード、圧力を検知する圧電素子などがあります。

センサーには検知する物理量によってインピーダンス (抵抗・電気容量・インダクタンス) ・電圧・電流が連続的に変化するアナログ型と、スイッチのように接点の ON/OFF やエンコーダーのように電圧の High/Low の 2 値で変化するデジタル型があります。

図 2. アナログ型とデジタル型 図 2. アナログ型とデジタル型

スイッチやセンサーからの信号の指令をもとに判断・処理し、アクチュエーターの動きを制御する機能を持った制御装置のことです。電気回路や電子回路で構成したコントローラーによる制御をハードウエア制御といい、コンピューターのプログラムによる制御をソフトウエア制御といいます。

工場などの生産設備で使われているPLC (Programmable Logic Controller:プログラマブル ロジック コントローラー) は内部にいろいろな電気回路や電子回路が組み込まれていて、プログラムを変えることでいろいろなシーケンス制御ができるようになっています。

シーケンス制御:一連の決まった動作を順番 (シーケンス) に行う制御のこと。

いろいろなエネルギーを回転運動や直線運動などの機械的な運動に変換する装置です。代表的なアクチュエーターには、モーターやスライダーなどがあります。これらを動力源として回転運動や直線運動をするための機構 (メカニズム) を含めたものもアクチュエーターといいます。

アクチュエーターの動力源として、油や空気の圧力エネルギーを利用する油空圧技術と、電気エネルギーを利用するモーターがあります。回転運動するモーターではエンコーダーを使って速さや回転角を制御し、機械などを精度よく迅速に動かすことに使われます。

油圧では正確な位置や速さの制御ができますが、動き出すまで時間がかかるためエンコーダーを使った制御は行われません。空気圧では位置や速さを正確に制御するのではなく前進・後退などの単純な動きを組み合わせて、工場などの自動化・省力化技術に使われます。

ステッピングモーターは回転軸に取付けられた磁石と固定されたコイルで構成されていて、コイルにパルス電流を流して磁化し回転軸の磁石を引きつけることで回転します。ステッピングモーターの回転が速くなるとトルク (モーターを回転させようとする力) が低下し、モーターはパルス速度に追従できなくなります。この現象を脱調 (だっちょう) といいます。また、モーターが回転していないとき、何らかの理由で意図せずモーターが回転してしまう現象も脱調といいます。