飲食店での CO2 濃度測定

近年、コロナウイルスの蔓延で更なる重要性が唱えられている「換気」。ただし、空気を目で見ることはできません。そこで、「しっかりと換気ができているのか?」について実際の飲食店で CO2 濃度を測定し見える化してみました。驚くべき結果に。

CO2 センサー

実はしっかり換気できていない?

実際に二つの飲食店の CO2 濃度を測定した結果です (図 1, 2 )。人が混雑する曜日・時間帯には 1000ppm を大きく超えています (*)。また、入り口から遠い場所は換気が行き届いておらず、CO2 濃度が高い結果になりました。実際に換気システムを作動し対策を行っていても、十分に換気できていないことが分かります。これは、感染症リスクの増大・快適性が失われていることを示しています。

(*) 日本ではビル管理法で屋内の CO2 濃度を 1000ppm 以下に保つ指針が出されています。

飲食店Aでの測定結果

ランチタイム及びディナータイムにおいて、1,000 ppmを超える時間帯が観察されました。特に「店奥側(黄)」の値が比較的高く出ており、階段前に比べて空気が循環しづらいことが推察されました。

Figure 1. CO2 concentration at restaurant A

図1. 飲食店 A の CO2 濃度

飲食店Bでの測定結果

平日は概ね 1,000 ppm (赤線) を下回りました。金曜日から日曜日にかけての混雑時は、ランチタイム時間からほぼ常時 1,000 ppm を超える場所があり、換気状態に改善の余地があることがわかりました。また奥側の席 (黄・緑) より入り口側の席 (青) の方が換気レベルが高いという明確な傾向が観察されました。この結果は店外は二酸化炭素濃度が低く、店外に近い席は換気がされやすいことを示しています。

Figure 2. CO2 concentration at restaurant B

図2. 飲食店B の CO2 濃度

適切な換気を行い、空気の状態を把握することが重要

飲食店での測定結果からわかる通り、換気対策が施されていても、混雑すると十分に換気できていません。これは空気が見えない為、どうしても換気対策が不十分となってしまう為です。そのため空気の見える化を行った上で、快適で安全な空間を作ることが重要です。例えば、窓やドアを部屋の対角線上に開放する状態を作る、もしくはサーキュレーターや扇風機を設置して外に空気を送り出すことで、効率的な換気を行うことができます。そして、空気質センサーによる空気の見える化によって、混雑時でも適切な換気対策を行う事ができます。

近年では、安心して店内で過ごしたいというお客様のニーズにこたえる為に、CO2 濃度を指標にして空気質センサーを設置する動きが増えてきています。

センスエア の NDIR 方式の CO2 センサーは超低消費電力・小型・高精度のため、空気質センサーを電池駆動化で長寿命・店内の CO2 を正確に把握する空気質センサーの実現に貢献します。詳しくは「センスエアが選ばれる理由」を参照ください。

 

センスエア (Senseair) について

2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。