導入が進む、COセンサーを使った換気の見える化

ヨーロッパ諸国をはじめとする多くの国では、子どもたちの安心・安全のために、換気の見える化に必要な COセンサーの導入が推進されています。ここでは、取り組みの早かった国の事例を参考に、COセンサー選びの重要なポイントを解説していきます。

CO2 Sensors

COセンサー導入の進む、世界中の教育現場

World Health Organization (WHO) は子どもたちのために教室の換気を推奨 (*1) しています。また、ベルギーは早くからタスクフォースを結成し感染症対策として換気ガイドラインや COセンサー選定のガイドラインを作成し (*2) 、全学校へ COセンサーの導入を2020年9月に決定しました。イギリスでも 30万台の COセンサーの配布が決まり (*3) 、アメリカのカリフォルニア州法でも、すべてのクラスに COセンサーを設置することが指示されています (*4) 。その他にも、多くの国で学校での換気に向けた取り組みがなされており (表1)、COセンサーを導入することで、換気の見える化を実現していることがわかります。

COセンサーは NDIR 方式のものを使う

COセンサーを検索し、ウェブサイトへ訪れると、価格や種類も非常に様々であることがわかります。
なぜ同じ COセンサーなのに値段が大きく異なるのか、また、何を基準に選べばよいのか、多くの疑問を持たれるかもしれません。
そこで、COセンサーを選ぶ際の最重要なポイントをお伝えします。それは、CO濃度を誤検知なく測定するには、NDIR 方式が推奨されている、ということです。
ガスを測定する方式は複数ありますが、測定対象が COの場合は NDIR 方式を選ぶことが重要です (*5)。実際、厚生労働省 (*6) や、ベルギーのタスクフォースが作成した COセンサーの選択基準 (*7) でも、NDIR 方式を選ぶことが推奨されています。他方式と比較した、NDIR の特長についてはこちらのページを参照ください。

NDIR方式の原理 NDIR方式の原理

学校で使うなら、ポータブルがおすすめ

使う場所が学校であれば、ポータブルの COセンサーがおすすめです。学校には、教室だけでなく、職員室、事務室、廊下、昇降口や体育館の更衣室など、換気の必要性を感じる活動場所は数多く存在します。
そして、必ずしも設置したい場所の近くにコンセントがあるとは限りません。そのため COセンサーはポータブルのものがおすすめです。
実際に、30万台の COセンサーの配布を決定したイギリスでは、ポータブルであることが強く推奨されています。この記事 (*3) では、持ち運びの容易さが、様々な場所での測定を可能にし、必要な対策を即時実行できる、と記載されています。
また、ポータブルであっても、電池が数日しか持たないものも多いため、動作可能な時間についても注意が必要です。
超低消費電力を特長とした、SenseairのSunriseが採用されている製品であれば、ポータブルかつ単三電池一個で 2年以上動作するものもありますので、参考にしてください。

次は、実際に日本の中学校で実施した、実証実験の内容について説明します。

[出典]

*1: https://www.who.int/publications/m/item/key-messages-and-actions-for-covid-19-prevention-and-control-in-schools

*2: https://www.brusselstimes.com/belgium/128745/schools-urged-to-keep-doors-and-windows-wide-open-to-cut-risk-of-covid-19-infection

*3: https://www.bbc.com/news/education-58285359

*4: https://www.energy.ca.gov/programs-and-topics/programs/california-schools-healthy-air-plumbing-and-efficiency-program

*5: https://www.akm.com/jp/ja/products/co2-sensor/tutorial/types-mechanism

*6: https://www.mhlw.go.jp/content/000698868.pdf

*7: https://werk.belgie.be/sites/default/files/content/documents/Coronavirus/CO2meters.pdf

センスエア (Senseair) について

2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。