田子浦中学校の事例  (教室) 

COセンサーにより、換気の見える化を実現した事例は、まだ数多くありません。
そこで、静岡県富士市立田子浦中学校に学校の CO濃度のモニタリング実証実験にご協力頂きました。ここではその結果と、現場の先生たちの声をご紹介します。

CO2 Sensors

教室の CO濃度

実際のところ、教室の CO濃度はどのような値となっているのでしょうか?
今回、田子浦中学校の全13の教室に COセンサーを配置し、1日の CO濃度をモニタリングしました。
以前より、学校には教育委員会より換気が指示されており、先生たちは、日頃から各教室の窓の開け閉めを行っていました。

図 1 は、先生たちが自分の教室の CO濃度を知らされていない状況での測定結果です。図 2 は、測定結果を共有した後の状態です。なお、COセンサー以外の新たな設備の導入や、ルールを設けたりといったことは一切行っていません。

結果として、測定結果をお伝えしただけにもかかわらず、教室の換気状況は劇的に改善し、全ての教室において、学校環境衛生基準である 1500ppm を大きく下回りました。また、教室間のばらつきも減少しています。

CO濃度を数値として認識するだけで、適切な換気を行う行動につながり、大きな効果を得ることができました。

図 1. 窓開けのみで対応時 図 1. 窓開けのみで対応時
図 2. CO2濃度を知らせた後 図 2. CO2濃度を知らせた後

先生たちの声

先生たちからは、COセンサーによる見える化の効果について多くの前向きなコメントを頂きました。
下記に、実際にいただいたご意見を一部ご紹介します。

  • 目で見てすぐに数値が出るので、実感が得られとても良い。
  • 測定値を見ながら換気をコントロールしたり、窓や扉を開ける呼びかけができた。客観的な指標のため、納得性も高かった。
  • “測定している”という意識により、換気の必要性を認識でき、環境改善につながったと思う。
  • 最近は寒い時期や、夏の暑い時期もエアコンを使用するので、室温を維持しながら、換気を行うための基準とすることができた。
  • 1,000ppmを意識するようになった。高めの時はすぐに換気するようになった。
  • 数値でいつでもすぐにチェックすることができ、空気質に対する興味・関心が高まった。
  • 1時間授業を行っただけで、CO濃度がかなり上昇することを知ることができた。
  • 活動内容と CO濃度の関係について客観的指標で意識することができるようになった。
  • これまでよりも能動的に換気に取り組むことができるようになった。


換気が必要なのは、教室だけではありません。次ページでは、他の場所での測定結果をご紹介します。

センスエア (Senseair) について

2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。