事例から分かった、意外な密の現場
教室の換気は重要ですが、学校には昇降口、廊下、体育館、放送室、保健室など、密が予想される場所が他にも存在します。
適切に教室の換気を行っても、密な現場が他にあるとしたら、本当の意味で子どもたちに安全・安心な教育環境を提供することはできません。ここでは、田子浦中学校の教室以外の測定結果から分かった、見落としがちな場所をご紹介します。
CO2 Sensors
教室以外の CO2 濃度
学校で密な場所は教室だけではありません。また、教員やスタッフの健康のためにも、学校全体での対策が必要です。
田子浦中学校内の、教室以外の34か所で測定を実施し、意外な場所が密になっていないかを調査しました。(図1)
意外な落とし穴
今回配置した34か所の中で見つけた意外な落とし穴は、応接室でした (図1の赤枠部分) 。
CO2 センサーを設置する際は、「この部屋は普段使われないし、CO2 濃度は心配無いと思う。念のために測定しておく。」程度の位置付けでした。
結果は、想定通り、ほぼ外気と同じ 400ppm 付近の時間帯もありましたが、測定した9日間中、5 回程度、夕方ごろに、急激な濃度上昇が確認される日もありました。
その要因は、少人数で不定期に行われる話し合いです。
この中学校に限らず、上記のような場合には、比較的狭い部屋を使ったり、また、話し合いの邪魔にならないように窓や扉を締め切った状態となっていることも多いと思います。
しかしながら、CO2 濃度をモニタすることで、適時必要な換気を行ったり、応接室ではなく、人の居ない時間帯で教室を利用したりといった対策を検討することができるようになると考えられます。
一見大丈夫だろうと思われる場所でも、特定の時間や季節によっては密な現場になったり、教室以外の場所では、空気質に対する認識が薄れたりと、様々な場所に密の可能性は隠れています。
ポータブルで電池寿命の長い CO2 センサーであれば、手軽に様々な場所で測定を行うことが可能です。
例えば、一時的に人が集まる場所で測定することで、適切なリスク判断を行えるようになります。一度測定すれば、自分が置かれている環境の空気質を客観的に認識でき、安心できる材料にもなります。
次のページでは、田子浦中学校の事例をもとに、CO2 センサーを実際に設置する際の注意点を解説します。
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2018 年に旭化成エレクトロニクス (AKM) グループの一員となった Senseair は、非分散型赤外線 (NDIR: Non-Dispersive Infrared) 方式の技術を用いたガスセンサーのプロバイダーです。常に新しいガスセンサーの技術開発および量産化を目指しています。